「ベートーヴェンの魅力」シリーズに向けて
ベートーヴェンの三大ソナタ「悲愴」「月光」「熱情」は有名ですが、それとは別に「後期三大ソナタ」と呼ばれる3つのソナタがあります。彼の32曲からなるソナタ集の最後、30番・31番・32番です。
いずれも晩年の50歳ごろの作品で、曲調からうかがえるのは、ロマン派のような美しいメロディーが多いこと。その反面、バッハのような壮大なフーガを進化させたかのような、古典派の音楽もアピールしているようにも感じます。
古典とロマン、その入り混じった感じが現れている作品こそが「後期三大ソナタ」ではないかと思うと、もう弾かずにいられなくなりました。ピアノという楽器の進化に伴って、初期のソナタには見られなかった技巧的な箇所もあちらこちらに登場します。
ことしは、この壮大なスケールの三大曲に挑みます。
2019年1月
藤本淳子